7日間の契約(2/2)
高杉さんと山崎さん/現代パロ
※現代パロ。高校生な2人。
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そう言って高杉はニヤっと笑うと、握る手に力を一気に込める。
「いっ!? 痛い痛い痛いっ!? ちょ、放してよ!」
手をブンブン振りながら、握られた手を解こうとする。それが面白くて更に力を込めたら、涙目になってきたので、手を放してやる。
「も、もう何なの! さっきから! 何の嫌がらせ!?」
彼は痛みを散らす様に、手を振りながらこちらを見る。
「まあ、あれだ、友達記念って奴だ」
「はあ!? いやいや、普通記念ってもっとソフトなものでしょ!」
「知るか」
高杉はそう言い放つと、屋上の出入り口へと向かう。
「ちょ、ちょっと高杉君!? どこ行くの!?」
後ろから彼が慌てて着いて来る。
「帰るんだよ。もう授業も終わるしな」
「あ、だったら一緒に帰ろうよ」
「別にいいが。もれなく万斉が付いて来るぞ」
「え!?」
「それで良いなら来いよ。まあ万斉に何されても俺は助けないがな」
「酷っ!」
「ああ。俺は酷い奴なんだよ」
何だ、と顔だけを彼に向けて言う。
「『友達』なのに知らなかったのか?」
ニヤッと笑ってやれば、彼はカァーと顔を真っ赤にする。
「そ、その言い方はズルイよ!」
「さて、さっさと帰るか」
「ちょ、聞いてる高杉君!?」
「あー聞いてる聞いてる」
「嘘だぁ! 聞いてる人の反応じゃないよ!」
後ろで喚く声を無視して、出入り口のドアを開ける。
遠くでチャイムの音が聞こえた。
終
2013.11.27 猫夜